2022年 EPUB にまつわるエトセトラ(ACCESS Advent Calendar 2022)
はじめに
この記事は ACCESS Advent Calendar 2022 への投稿を契機に作成されました。当初は Qiita で解説記事的な体面で作成していたのですが、うまくまとまらなかったため、いっそ筆者が Scrapbox を試用する意味合いも兼ねて、こちらに箇条書き形式でまとめることとしました。
今回は、2022年で個人的に気になったトピックについてまとめてみました。今後この Scrapbox は、電子書籍業界で筆者が気になったことをまとめる際に活用したいと考えています。
2022年で気になったこと
EPUB 3.3 (2022年5月 勧告候補に)
現在、W3C の EPUB Working Group にて策定やテストが進められています。ACCESS は W3C 会員でありこの WG にも参加しているため、テスト等で協力させていただいています。
EPUB アクセシビリティの JIS 規格(JIS X 23761) (2022年8月 制定)
EPUB とは関係ない話にはなりますが、昨年マスクの JIS 規格が制定されました。それ以降、マスクをお店で選ぶ際にはこれを参考にしているのですが、EPUB もマスクの様に規格で選べるような時が来るのかもしれません。電子書籍のアクセシビリティ技術には個人的に注目していて、当事者だけでなく健常者にも利益があるものだと思っています。ACCESS が ACCESSibility やらないでどうする
国会図書館の電子書籍納本制度 (2022年5月の法改正で、2023年1月から商用コンテンツも対象に)
この件については最近知りました。収集された作品の閲覧は国会図書館でしかできないようですが、国会図書館サイトから販売サイトへの案内も行われるようです。ある意味、電子書店サイトの横断検索的に使えるようになるのかも?
w3c/jlreq-d: Requirements for Japanese Digital Text Layout
元々ある「日本語組版の要件(JLReq)」の次世代版、という位置付けの「日本語デジタルテキスト組版の要件(JLReq-d)」の開発が始まっています。 JLReq は EPUB 3 に縦書きが実装される際に採用された他、他言語でも JLReq に倣い組版要件が作成されています。
自分に何ができるというわけではないですが、組版の再定義というのは技術と文化の融合というか、ある意味思想が入る領域な気がしており、非常にワクワクする話ではあります。個人的にですが。
Japanese Language Enablement (jlreq)(JLReq 日本語組版要件) | jlreq
JEPA|日本電子出版協会 2022年10月24日 APL共催: Webや電子書籍にフォーカスした「日本語組版の要件」の次世代版 JLReq-d
APL共催: Webや電子書籍にフォーカスした「日本語組版の要件」の次世代版 JLReq-d - YouTube
付録
EPUB 3系バージョンの違い
参考資料
https://www.aplab.jp/symposium04
https://www.aplab.jp/seminar2021
https://epubsecrets.com/epub-3-3-is-here.php
https://daisy.org/news-events/articles/what-does-epub-3-3-mean-for-accessibility/
W3C勧告プロセスの概要